2.南薩線の新線計画



昭和36年2月10日付 鹿児島毎日新聞(後の鹿児島新報、2004年廃刊)

鹿児島-枕崎を50分
南薩鉄道を高速化
西駅・日吉間に直線コース

南薩鉄道KK(社長岩崎与八郎氏)では今年開設50周年を迎えるが、7日開かれた同社の重役会でこれを記念し、南薩鉄道の高速化と創設者故鮫島慶彦氏(加世田市出身)の銅像建設を決めた。

南薩鉄道の高速化は現在、西鹿児島-枕崎間をおよそ2時間半で走っているのを半分以下の1時間足らずで結ぼうという画期的な計画。同社ではさっそくこの実現のため9日岩崎福三専務と相良、吉満常務が県企画調査室におもむき、田代企画調査室長に建設資金の開発銀行融資(総工費約13億円)あっせん方を依頼した。
 この計画によると、西鹿児島駅-日吉町日置(17.5キロメートル)または西鹿児島駅-吹上町永吉(13.3キロメートル)をほとんど直線でむすぶほか、枕崎-伊集院間はレールのとりかえ、カーブの補正、橋梁のかけ替えなどでスピードアップ、これが実現すれば鹿児島-永吉-サツマ湖コースなら16分、日置経由なら20分、サツマ湖-枕崎を32分と鹿児島-枕崎間をノンストップ50分内外で直結しようというもの。各駅停車でも鹿児島-枕崎間1時間と半分以下に短縮されることになっている。
 同社では伊集院-枕崎間の改修を本年4月から工費2億9千万円で着工、平均時速60キロメートルの列車通過に耐えられるようにするのをはじめ、西鹿児島-永吉(または日置)-サツマ湖間は36年度から土地買収にかかり、37年度から三ヶ年計画で工費10億円で平均時速80キロメートルの高速鉄道建設にとりかかる。
 このため国鉄の西鹿児島駅の改築計画に並行、新西駅の3階にターミナルを設け、紫原まで高架鉄道を建設するか、西駅隣接地にバスを含めた新ターミナルビルを建設、そこを起点とするかの両案が考えられている。
 この新線の建設計画で、国際空港の候補地にあげられている各地のうち、松元町横井原と吹上浜の二ヶ所がクローズアップされることになる。
 なお南薩鉄道KKでは10日谷山、日吉、吹上、金峰、加世田、伊集院の各市町長を集めてこの構想を説明、用地買収などに協力を要請する予定。
 また故鮫島慶彦翁の銅像は、10月に予定されている50周年記念式典までにわが国彫刻界の元老朝倉文夫氏に製作を依頼する。


昭和36年3月3日付 鹿児島毎日新聞

鹿児島市内は地下鉄で
南鉄、高速鉄道で検討

南薩鉄道KK(社長岩崎与八郎氏)では、西鹿児島駅-枕崎駅間の高速鉄道建設で未解決となっていた鹿児島市内を高架鉄道にするか地下鉄にするかについて、東京の帝都高速度交通営団の東理事と市村理事に調査を依頼したが、両氏は十二日の両日、現地調査を行ない(1)コースは西鹿児島駅から専売公社鹿児島地方局の付近(一.五キロ)とする(2)高架鉄道より地下鉄がよい―と答申、この結果南鉄でも地下鉄建設にふみ切る見通しが強くなった。
 これは(1)高架鉄道は地下鉄より建設費がずっと安くてすむが、宮田通りの先に踏み切りが二ヶ所あるので技術的に建設が困難だ(2)地下鉄にすると将来天文館付近にターミナルをつくることも考えられ、工事費は大きいが将来発展するためにも必要だという理由による。




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